「11の物語」 パトリシア・ハイスミス

本の感想

最近、あまり本は読めていない。

読んでも、最後まで読むのが難しいこともある。読んでいたが、途中で、飽きることもある。そういう読み方も良いと思うけどどうだろう。色々、積読しているので、日々時間をとって読んでいきたい。

最近、というよりちょっと前に読んだ本がこの「11の物語」 著パトリシア・ハイスミスである。おそらく、この本を知っている多くの人は役所広司主演の映画

「PERFECT DAYS」で出てくるからだろう。自分もその一人。映画内では古本屋の主人にパトリシア・ハイスミスの描く不安について言及している。

「11の物語」は11編の短編小説だ。あえてジャンルというなら、怪奇小説に近い感じがする。ただ、ファンタジーな要素はあまりない。

実はこう思っているという現実的な不安を上手く描いている。それは他人への愛情を確かめることであったり、何気ない安らぎや平穏の裏返しであったり。一見すると中々、読み取ることが難しかったり、見逃してしまうところもあった。

 

登場人物は悲惨な目に会うことが多いが、人によっては理不尽に感じるだろう。

でも、人間の感情は不合理で大体は理不尽だと思う。不安であることは不透明な現実を意識できていないことであり、それは外の世界を上手く知覚できないことでもある。

そういう精神の揺らぎを感じる小説だったと思う。

11の物語 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ハ 22-1)
かたつむり観察者,恋盗人,すっぽん,モビールに艦隊が入港したとき 他

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